雑学

家紋は選べるの?使ってはいけない家紋やルールはあるの?

家紋は由緒正しき家系にかかわらず、どの家にもある先祖代々伝わるものです。
紋付や袴、羽織、留袖など格式の高い和服や調度品、先祖代々のお墓などにはその家の家紋が記されていますね。
家紋は家系、血族あるいは家柄や地位を示す目印のようなもので、他の一族と区別するのに用いられてきました。
近頃では略式が進み、結婚式や葬儀などでも、和服の正装は貸衣装などで済ませることが多くなり、一般の家庭ではあまり家紋について厳格に扱わなくなってきているようです。
家紋について、自分で選んでも良いのか、どんなルールがあるのかなどお伝えします。

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家紋は選べるの?選ぶ基準とかってあるの?

家紋には法律による規制がありませんので、自由に選ぶことができます。

自由に選ぶことはできますが、自分だけ勝手に家紋を変えるというのは、少々難しいかもしれません。

家紋はその家に代々伝わり、血族の証明のようなもので、その一族の印として使われてきたからです。
古くは源氏、平氏、藤原氏、橘氏といった豪族が、他の氏族と区別する目的で家名の印として紋章を使うようになりました。

平安時代後期には貴族が固有の目印として、また公家の西園寺家や徳大寺家が独自の紋を使い始め、公家の間で流行してきました。

平安時代後期、源氏と平家の争いが激しくなってきたころから、武士が自分の功績と名を知らせる為、各自が固有の図柄を旗に描き家紋となり、鎌倉時代以降広がっていきました。

江戸時代になると、商人などが商売をするときの印として家紋を持つようになり、家紋が庶民にも広がってきました。

明治時代になると一般の人々も苗字を持つようになり、苗字と共に家紋も一族を表す印と
して、家紋入りの礼装をしたり、墓石に家紋を入れたりする習慣が広がってきました。

こうして家紋は子孫に受け継がれ、代々伝えられてきました。
ですから、家族、親族などの繋がりを考えると、むやみに家紋を変えるのは難しいですね。

自分の家の家紋が分からない時は?

けれども最近では核家族化や転勤族などが増え、親戚付き合いも少なくなって、疎遠になっていることもあり、自分の家の家紋が分からないという方もいます。

いろいろ調べても家紋が分からないときは、既存の家紋の中から自由に選んで決めることはできますし、自分で新たに作ることもできます。

新しく家紋を決めるならば、苗字や出身地などからゆかりのある物を選ぶのも良いでしょうし、誰が使っても不都合が無い通紋と言われる「蔦」「蝶」「五三桐」あるいは五大紋、十大紋の中から選ぶのが良いかと思われます。

あるいは、新しいデザインで家紋を作ろうとするのであれば、専門に家紋をデザインしてくれるところなどもありますので、参考にされると良いでしょう。

どちらにしても、新しく家紋を使用するときは、後々のことも考慮して選ぶことをおすすめします。

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使ってはいけない家紋ってあるの?理由は?

現在知られている家紋は、およそ2万個あると言われています。

その中から好きなものを選んで、自由に使って良いといっても、家紋によっては出自を表すこともありますので注意が必要です。

天皇家の菊の御紋はもちろん、徳川家の葵の紋や良く知られている武家の紋などは避けた方が良いですね。

菊紋に関しては明治時代使用が禁止されました、戦後その規制は無くなりましたが、使用を控えるのが暗黙の了解になっています。

葵の紋や有名な武士の紋などは、家紋や家系について質問などをされた際、いろいろと面倒な説明を余儀なくされるかもしれません。

また商店などで独占家紋として、商標登録されている家紋もありますので注意してください。
商標登録されている家紋を使うと、無断使用で訴訟の対象になることもあります。

家紋にルールってあるの?知らないと恥ずかしい常識って?!

現代は家紋の使用に関しては、何のルールもありませんが、菊の紋や葵の紋など、歴史的に由来のあるものは避けた方が良いと思われます。

ルールが無いと言っても、地域によっては昔から伝わる風習が根強く残っているところもあります。

例えば、西日本の習慣である女紋は女系に伝わる紋で、嫁ぎ先でもこの紋を使用することができますが、他の地域では、受け入れられないこともあります。

近頃では家紋を気にする家は多くはないと思われます。
日常生活で家紋を用いる場面は、冠婚葬祭を除けばほとんどありません。

結婚式などの正装である紋付、袴や留袖などには家紋が入っています。
自前の物ならば、もちろん自分の家紋を使うことになりますが、最近では貸衣装を用いることも多くなりました。

貸衣装でも、特殊な紋でなければ、自分の家の紋を付けてもらうことはできますが、たとえ自分の家紋が分かっていても、一般的に用いられるのは、五三桐などの通紋が付けられている衣装がほとんどです。

よほどの家系でない限り、冠婚葬祭でも家紋については厳格なルールはないように思われます。

まとめ

近頃では家紋はあまりうるさく言われることは無くなってきました。

冠婚葬祭の場面では、家紋の問題にぶつかることもあります。
どうしても家紋が分からないときは、新しく家紋を選んで、新たな家紋とすることは自由にできます。

新しい家紋を選択する際は、自分の家族や血縁のこともよく考慮して決めることが大切です。

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