クリスマスローズという響きからは、なんとなくロマンティックな雰囲気が感じられます。
ヨーロッパでクリスマスのころ、バラの花のように美しい花を咲かせるところから、クリスマスローズと呼ばれるようになりました。
花の少ない寒い季節に庭や花壇を彩ってくれるクリスマスローズは、主にヨーロッパで好まれて栽培されていました。
近年は品種改良された種類も増え、ポピュラーになってきました。
冬の花として人気のクリスマスローズの名前や種類などをお伝えします。
目次
クリスマスローズの種類の名前は?
クリスマスローズはキンポウゲ科のヘレボルス属の植物が原種です。
本来のクリスマスローズはヘレボルスの原種の一つニゲルという種類を指したものです。
ヨーロッパではクリスマスローズはニゲルだけを指し、他のヘレボルスとは区別していますが、日本ではすべてのヘレボルスや品種改良された物も含め、総称してクリスマスローズと呼んでいます。
ヘレボルスの原種はおよそ20種類ほどあり、主にヨーロッパに自生しています。
ヘレボルスは大きく分けると、茎のある有茎種が3種、中間種が2種、茎の無い無茎種が17種の3つの種類に分類できます。
- 有茎種は、アゥグチフォリウスやフェチダスの名が良く知られています。
- 中間種は、クリスマスローズを指すニゲルやヴェシカリウスです。
- 無茎種は、オリエンタリスやアトロルーベンスなどが有名です。
ヨーロッパ地域以外に生息するヘレボルスとしてヴェシカリウスやチベタヌスがあります。
- ヴェシカリウスは中間種で中東シリアからトルコの砂漠地帯に生息します。
- チベタヌスは無茎種でヨーロッパから遠く離れて中国の四川省などに生息しています。
20世紀後半になるとイギリスで、無茎種のオリエンタリスを主な交配種として、品種改良が盛んに行われ、春咲きのレンテンローズやガーデンハイブリッドの種類が数多く生まれています。
日本には江戸末期ごろ伝わって来て、クリスマスローズの原種ニゲルは「初雪おこし」、後に伝わった交配種は「寒芍薬」と和名を付けられ茶席など一部の人たちに親しまれていました。
クリスマスローズの種類で色はどのくらいあるの?白もある?
日本では原種のヘレボルスやその交配種のレンテンローズやガーデンハイブリッドを含め、すべてをクリスマスローズと呼びますので、その種類は多数あり、花の色も赤、白、ピンク、紫、黄、緑、青、黒、小豆色など様々です。
また花びらに斑点が入った物や縁取りのある物、八重咲の物などもあります。
クリスマスローズの原種ヘレボルス・ニゲルは、純白の花でとても人気の品種です。
- ニゲルと同じ中間種のヴェシカリウスは、グリーンの花の周が赤みを帯びています。
- 無茎種のアトロルーベンスの花は、外側が小豆色で内側は緑色をしています。
- 有茎種のアゥグチフォリウスはグリーンの花をたくさんつけます。
- 同じく有茎種のフェチダスは小さな1.5cmぐらいのグリーンの花でその先端は赤く、垂れ下がって咲くのが特徴です。
- 交配種であるガーデンハイブリッドは色によって様々です。
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- 赤系には明るい赤から黒っぽい深い赤まで様々あります。
- ピンク系も淡いペールピンクから濃いローズピンクまで豊富にあります。
- 黄色系は十分低温にならないと発色が難しいようですが、斑点の入った物は黄色が濃くでるようです。
- グレー系はガーデンハイブリッドの独特の色合いで、とても落ち着いた感じです。
- グリーン系は翡翠のような色合いの物もありとても魅力的です。
- 他にもブルーブラックやアプリコット、パープル系とガーデンハイブリッドは様々な色合いが楽しめます。
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クリスマスローズは種類によって育て方が違うの?
クリスマスローズのガーデンハイブリッドなどの交配種の育て方は、ほとんど同じですが、
ヘレボルスの原種は注意が必要なものもあります。
クリスマスローズの種まきの時期は?
クリスマスローズの種まきは、一般にガーデンハイブリッドも原種も9月から10月中旬までに済ませます。
種まきが遅くなると種から根が出始め、根が傷つくと病原菌が種の中に入り込むことがあります。
原種のリビダスは他の種類に比べると発芽が早いので、早めに種をまく必要があります。
クリスマスローズの発芽や植え替え時期は?
種の発芽する時期は、リビダスが11月初め頃、ガーデンハイブリッドが1月頃、ニゲルは2月頃になります
3月から4月頃発芽したクリスマスローズをポットにあげます。
このころには根が、ガーデンハイブリッドでは苗のおよそ3倍、有茎種のアーグチフォリウスなどは苗の10倍ほどに伸びていますので、根を傷つけないように気を付けましょう。
10月頃もう一度植え替え日光と肥料を十分に与えます、11月頃から2月頃までは変化が見られませんが、暖かくなると大きな葉が育ち始めます。
クリスマスローズは種から育てても最初の年には花を咲かせることはありません。
発芽して2年目でようやく最初の花が咲きます。
クリスマスローズの育て方で注意が必要な種類と注意点!
他にも原種のヘルボルスで注意が必要な種類は、ニゲル、ヴェシカリウス、チベタヌスなどです。
ニゲル
ニゲルは発芽して双葉が開いたら、肥料も水も多めに与え、春と秋には鉢の土をほぐしてやると大きく育ちます。
花が咲き終わったら、ニゲルの株が分かれるので、株分けします。
ヴェシカリウス
ヴェシカリウスは中東の砂漠が原産地なので、苗は水はけの良い鉢に植えます。
土に植える場合は土の成分を砂漠の環境に近づけることが大切です。
チベタヌス
チベタヌスは中国からの輸入苗です、輸入される時に、根が短く切り揃えられているので、なるだけ早く植え替えることをお勧めします。
有茎種のヘルボルスでは花が終わると、新しい茎が、花の終わった茎と同じ高さに伸びてきます。
古い茎は取り除き風通しを良くするのですが、取り除く時期は新しい茎が伸びてきた後です。
その前に取り除くと新しい茎が枯れることがあるので用心しなければなりません。
まとめ
現在クリスマスローズは、交配されたガーデンハイブリッドで多くの種類があり、いろいろな花の色や形を楽しむことができます。
花の少ない季節に咲くクリスマスローズは、冬の花壇や庭に色どりを添えてくれます。
気に入った種類を選んで、冬の花壇や庭を造るのもわくわくして楽しそうですね。