四季折々の姿を見せる富士山。できればきれいに見たいけれど、遠方に住んでいると気軽に見に行くことができません。
そんな時に、きれいに見える季節や天気が分かっていたら、行く時期を調整することができますよね。
今回は、富士山がきれいに見える季節や、天気との関係、どこまでの範囲の場所まで富士山が見えるかをお教えします。
目次
富士山がきれいに見える季節はいつなの?どのくらいの確率?
富士山は11月~2月の秋~冬の季節にかけて、きれいに見えると言われおり、特にきれいに見えるのは1月と言われています。
空気が澄んでおり、晴天率が高い月なのでよく見えるのだそうです。
過去の観測データでは、11月から2月にかけて、富士山の全体が見えた日が月の5割を超え、最高月では6割を超えています。
1ヶ月30日として、18日以上見えていることになります。
晴天率と富士山の見える確率は一緒なの?!
しかし、晴天率と富士山の見える確率は同等ではない場合もあります。
- 夏場は、10日以上晴天であったにもかかわらず、全体が見えた日は0日というデータも残っています。
- 冬場は、晴天率と全体の見える確率が比例してくるので、大変おすすめできる時期と言えるでしょう。
また、さらにきれいに見たい場合は、全体が見えた確率が午後より午前の方が多い、というデータがありますので、午前中の観測がおすすめです。
富士山が見える天気って?曇りでも見える?
それでは、どのような天気で富士山が見えるのでしょうか?
「一部だけでも見たい」という場合は、曇りや雨の日でも見える可能性があります。
雨の場合は山影だけ見えることが多いですが、曇りの場合は山頂だけ見えたり、逆に山のふもとしか見えなかったりと様々なパターンがあります。
「全体をくっきり見たい」という場合は晴れの日がおすすめでが、必ずしも全体が見えるわけではありません。
地上の天気が晴れていても、富士山周辺に雲があることが多いからです。
5月に富士山を見に行った体験談
私の体験ですが、5月に富士山を見に行って、2日間とも富士山の全体を見ることができなかったことがあります。
富士山からほど近い「河口湖」という場所を観光していました。
河口湖の天気は曇りだったのですが、青空も見えていたので、富士山全体が見えるだろうと思っていました。
しかし、山頂付近に分厚い雲が停滞していたため、山のふもとしか見ることができなかったのです。
風も強く、「もしかしたら雲がどいてくれるかも」とも思いましたが、山頂付近の雲だけは全く動きませんでした。
富士山全体を見たい場合は、現地の天気だけではなく、季節も考慮して見に行ったほうが良いでしょう。
また、山の天気は変わりやすいと言われていますので、週間天気予報や、ネットで調べられる雨雲レーダーを見ておくことをおすすめします。
富士山の見える範囲ってどこまで?一番遠いのは何県?
「富士山可視マップ」というものがあり、富士山が見える範囲を調べることができます。
富士山は実に幅広い範囲で見ることができますが、特に、富士山のある山梨県や静岡県、関東地方の平地、三重県の一部で良く見えるそうです。
距離的には、三重県より岐阜県や長野県の方が近いのですが、大きな山脈などがあり、平地からだと富士山を遮ってしまうので、見える地域が少ないという結果になっています。
逆を言えば、かなり遠い場所でも、遮るものが無ければ富士山が見える可能性が高いということです。
富士山が過去に観測できた場所で最も遠い場所は?
観測ができた場所でもっとも遠いのは、和歌山県那智勝浦町にある「色川富士見峠」とう場所です。富士山から322kmも離れ、標高は約900mあります。
理論上は、海抜0mで富士山が見えるのは、富士山から236kmまでの範囲とされています。
これは、地球が丸いことを考慮しての計算結果です。
そのため、236km以上離れた場所でも、色川富士見峠のように標高が高いところで,
遮るものが無ければ、見える可能性が出てくるということになります。
しかし、「空気が澄んでないと見えない」など見える条件があるので、色川富士見峠から見てみたいと思った場合は気をつけてくださいね。
しっかりと下調べしてベストなタイミングで見に行けば、肉眼でも確認できるそうですよ。
色川富士見峠は富士山が見える最も遠い場所で、かつ、最西端の場所です。
【最東端】千葉県銚子市(銚子ポートタワー)(富士山からの距離約198km)
【最西端】和歌山県那智勝浦町(色川富士見峠)(富士山からの距離約322km)
【最南端】東京都八丈町(八丈島の三原山)(富士山からの距離約271km)
【最北端】福島県川俣町・福島県飯舘村(花塚山)(富士山からの距離約約308km)
地形の条件が合えば、お近くの意外な場所から見える可能性もあり、2014年には「京都からでも富士山を撮影できた」と話題になりました。
画像解析をして分かるレベルなので、肉眼ではかなり難しいかと思いますが、富士山から遠くても自分の住んでいる場所から富士山が見えると分かるとロマンがありますよね。
ぜひ「富士山可視マップ」で調べてみてくださいね。
まとめ
富士山がきれいに見えて、全体が見える確率が高い季節が冬であり、特に1月が良く見えるということがわかりました。
しかし、富士山は季節ごとにたくさんの表情を見せてくれます。
雲海が良く見える季節、桜や紅葉と一緒に楽しめる季節、夕焼けがきれいに見える季節…。
一年を通じて様々な魅力があります。
月によっては曇りが多く、見えにくい時期もあるかと思いますが、ぜひ1月以外にも挑戦してみてくださいね。